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日本の文化と着物をこよなく愛する自称Neo大和撫子が、大好きな国イエメンへのアラビア語留学をたくらんで七転八倒。旅情報系ブログになりたい雑談系ブログ。

by neoyamatonadesiko
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神は地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、これを洪水で滅ぼすと”神と共に歩んだ正しい人”であったノアに告げ、ノアに箱舟の建設を命じた。(旧約聖書「創世記」よりノアの方舟の物語)

イエメンの首都サナアにある旧市街は、現在も人が住んで生活している世界最古の都市とされ、その起源は2000年以上も遡ります。
「ノアの方舟」のノアの息子セムによって創建されたという伝説がある、歴史と浪漫溢れる美しい街なのです。

その美しいサナアのオールドシティも、長引くサウジの空爆の標的にとうとうされてしまいました。
画像はここ数日、現地の報道やアルジャジーラなどに断続的に上がってくる衝撃的な写真の数々の一部です。

そもそも今回のサウジ(の主導する湾岸諸国の連合軍)の空爆の発端なったもの、つまり彼らの真の標的が何なのかについてはまずこちらをどうぞ。

http://loveyemen.exblog.jp/23005766/

こちらで触れている反政府勢力「ホーシー」を制圧・鎮圧することが、サウジの大義名分だったはず。
その大義名分の元、3月の空爆開始から事ここに至るまでにも、南部のアデンやタイズなどの都市を中心に、多くの一般人(当然多くの子供たちも含む)の犠牲者を出しながら尚止まるところを知らず、首都サナアでも毎日なんの罪もない一般人が命を落としています。

サナアへの空爆には使用が禁止されているクラスター爆弾や、あろうことか中性子爆弾も用いられているそうです。

世界遺産は開発からは保護されても戦火の前にはこんなにも無力なんですね。
オールドシティなんて、軍事施設もなにも、一般人が平和に穏やかな日常を営んでいるだけの場所なのに。。

そのサウジ曰く
「この作戦は失敗だった。攻撃を開始してから70日が経過してもホーシーは武装解除していない」
とのことだそうで。

何なんでしょうか、この恐ろしく愚かな「北風と太陽」の物語。
北風(=サウジ)の空爆でいよいよ頑なになった旅人(=ホーシー)は、コートを脱ぐどころかスカッドミサイルで応戦し始め、事態は泥沼の様相を呈しています。
本当の北風と太陽のような寓話であれば良きところでオチがつくわけですが、こちらの現実には未だ落とし所が見えてくる様子もなく。。

この出来事の中心である2国が、共に世界で1・2を争う敬虔なイスラム教国であること、また奇しくもサナア旧市街が神に救いの手を差し伸べられた「正しい人」ノアの息子にその起源が由来する場所であることを思うと、尚更虚しさが込み上げます。神も仏もあったもんかですね。
(旧約聖書はユダヤ教の聖典なので、イスラム教と直結はしませんが、まあ根っこは同じですんで。。)

前回イエメンにいた時、ホーシーのせいで治安が悪化していたすぐ後ぐらいだったのですが、友人宅にいて子供たちが無邪気にキャッキャ言って遊んでいたところに、表で砲声のような「ドーン」という音が数回響いたんです。
その瞬間、子供たちから笑顔が消え、恐怖で顔を強張らせ、かん走った声で「ベランダの戸閉めて!」と言って、部屋の隅でひと塊りになり、ずっと怯えていた姿を今でもまざまざと思い出します。
いずれ平和な日常が戻ってきても、子供たちの心に刻み込まれた恐怖の記憶は簡単には消えないんだろうな...と思うと、ニュースで報道される被害以外にも取り返しのつかない被害がたくさんあって、結局そういったとばっちりを受けるのは、何の罪もない一般人なわけで。

イエメンから帰国してまだたったの半年しか経っていないとは信じ難いほど悪化の一途を辿る現在の情勢ですが、なにもできないながらも一刻も早く事態が収束すること、これ以上無辜の人たちの犠牲が拡大しないことを祈りながら、事態の行方を注視して行きたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・
ブログは続ける予定ですと嘯いておきながら半年以上休眠状態だったのは、帰国後の慌ただしさの中にあるうちに、アレヨアレヨとイエメン情勢が悪化して、もはや呑気にイエメンのプロモーションブログ書いてる雰囲気じゃなくなってしまって、何とも手がつけられずに放置していたというのが最大の理由でして。
ついでに「元々三日坊主体質だから」というのがその次ぐらいに大きい理由でして。
さらには「ブログ書くのに使っていたタブレットが寿命で引退したため」というのがその次ぐらいでして、きりがないのでこのぐらいにしておきます。

しかしながら、つい昨日久々にブログページ開いてみたところ、半年以上放置しているブログでもポチッとして下さっているもの好きな...もとい、心優しい読書の方がいて下さっていることに驚きながらも、せっかくなのでまたポツポツと更新しようかと思い至った次第です。

久しぶり過ぎて、いざブログ書くのにログインしようとしたらIDやパスワードがわからず少々あわあわしましたが。

そんなわけで、もしよろしければ、またたまにお越し頂いて、読み終わりにポチッとやって頂けたら、ひそやかにすごく喜びます。

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などと人のせいにしないでマイペースに更新させて頂きます。

# by neoyamatonadesiko | 2015-06-16 03:25 | イエメン
イエメンでアラビア語を勉強するということ_c0324791_05040293.jpg

アラビア語は非常に方言が多様なことで知られる言語です。
とりわけイエメンは方言があまりに多いです。イエメン方言だけでなく、サナアでしか使われていない方言などもあります。
例えばお金はマザーランゲージでは「フルース」というそうですが、サナアではみんな「ザラット」と言います。

どのぐらいイエメン方言が多いかというと、私は日常生活で比較的よく耳にする言葉があると「○○ってどういう意味?」って聞くんですけど、ほとんどの場合「これこれこういう意味だけど、これはイエメン方言で、アラビア語ではこうだよ」っていう回答になります。
最もよく使用するであろう「Yes」でさえも、アラビア語では「ナーム」というんですが、イエメン人はみんな「アイワ」って言います。
「Yes」もそうなんですけど、人々が日頃しょっちゅう口にする言葉を当たり前にアラビア語として覚えていて、ある日ふとそれが方言だということを知った時の衝撃はなかなかせつないものがあります。(しかしそれもあまりにしょっちゅうなので慣れました。)
もちろん、標準語だけ覚えてもイエメンで通じるけども、それだとイエメン人が話してることが理解できないってことになるわけで。。

私が今回イエメンに来てから本当にいろいろ状況が落ち着かず、勉強しに来たはずなのに最初のうちはまともに教えてくれる人もいなくて、全然英語の通じない子供に教えてもらっていたりしていた期間もあり、教えてくれる人もちょこちょこ変わったりしていたんですけども、そうすると子供は当たり前に日頃自分が使う方言の方を教えてくれていて、後で別の人から教わると全然違うなんてこともよくありました。

今は英語がベラベラの友人宅(その家族はアラビア語オンリー)に居候していますが、その当時はステイさせて頂いていたお家の家族全員、本当に簡単な単語すら英語が通じなかったため、思い出すだに大変なことがいっぱいでした。

たとえば、喉が渇いて家から徒歩2分ぐらいのところにある小さなお店に水を買いに行こうとそのファミリーに「水を買いに行きたい」ということを身振り手振りで伝えると、奥さんや子供が「待って、この用事が終わってから」とか随分待たされるわけ。いや、水買いたいだけだから、自分で行ってすぐ帰りますけどって一生懸命説明しても「待って待ってもうちょっとだから」の一点張り。そうこうしているうちに用事が終わって、奥さんや子供達が出かける支度をして、家の前に近所に住んでる親戚の車が。。
これはイカンと必死で「いやいや、水買いたいだけなんです。市場とか、遠出して買い物したいわけではないんです」ってとにかく必死で説明してもキョットーーーーーーンとされて、車は暴れる私とそんな私を珍獣を見るように見る家族を乗せて、無情にも家から車で10分ほどのスークまで連れていってしまいました。しかも親戚の方は私たちを降ろしてそのまま他へ行ってしまい、奥さんと子供達は私を何やらビューティーショップ的なお店に連れて行き、「さあ珍獣よ、好きなものをたぁ~んとお買い」とでもいうように私を静かに見つめるのでした。その後お店の人に「すみません、何もいりません」と説明して、近くにある小さなお店でペットボトルの水を2本買っただけの私への、家族の皆さんの「え?それだけなの?買いたいものってそれだけだったの?そのためにここまで来させたの?」みたいな空気が忘れられません。しかも、車もうないから、そこから30分ほどかけて歩いて帰り、2歳の小さい子が途中で泣きわめいて奥さんも半分切れてるわ、針の筵とはこういうことかと。

はたまた同じお家で、夜皆さんが寝ようとしていた時に、「明日服を洗いたい」ということを身振り手振りで説明すると、服を洗いたいんだなってことはジェスチャーでなんとか伝わるも、「今日じゃなくて明日」っていうのがもう何をどう説明してもわかっえもらえず、みんなが寝静まった後に仕方なく1時間ぐらいかけてわっしわっし服を洗ったこともありました。
洗った後、1人外に出て洗濯物を干している時の切ない気持ちも忘れられません。

そんな時を経て、やっと前回の訪イエメン時からの知人にちゃんと毎日英語でアラビア語を教えてもらえるようになって、まだ1ヶ月足らず。
アラビア語自体も文法が難しく、動詞も形容詞も名詞もとにかくガンガン変化するし、とりわけ動詞は一体1つの動詞で何十パターン覚えさせる気だってぐらい変化するし、今まで多少覚えていた言葉も実は方言だということもどんどん発覚するし、とにかく時間は1ヶ月もないしで、一体私、多少なりとも「勉強してきました」って言える程度のことして帰れるのかな...と、まあまあ絶望的な気分になったりもしました。
しかしながら、教えてくれている人が非常に協力的で、かつ理解できなくても何度でも根気よく教えてくれることや、友人宅に移ってから、英語が話せないにも関わらずいろいろ頑張ってアラビア語を教えてくれたり勉強ができるように協力してくれる友人奥様のお陰や、オフィスのマフラージで勉強している無粋で邪魔くさい私を温かく迎え入れていつも気遣ってくれている友人のオフィスの方々など、色々な人の協力によって、まともに勉強しはじめて1ヶ月足らずな上、いろいろバタバタして勉強どころじゃない時もあったにしては、この条件でできるだけのことはやった!と言えるぐらいに頑張ったと我ながら思います。

今はもちろん「水を買いに行ってきます」も「スークに行きたくない」も「明日服を洗いたい」もアラビア語で言えます。
最初は友人の通訳がないと全然話せなかった友人奥様とも、片言のアラビア語と英語とジェスチャーと辞書を駆使して日々何とかちゃんと意思の疎通ができるようになって、たまに知ってる言葉でジョーク言って2人で爆笑したりできるようになりました。(これについては私のアラビア語学習に平行して奥様が多少英語の基本的な単語などを勉強したりしてくれたお陰もある。)

最近、1人で何かを買う時に片言ながらも英語ではなくアラビア語で話して通じているということに改めてしみじみ感動したりします。
(アラビア語話せると思われて、その後がーっと話されるともう全然ダメですが。)

そもそも私がアラビア語を勉強したいと本気で考えるようになったのは、全くアラビア語が話せない私に、理解できないとわかっていて、それでも尚なんとか話そうと一生懸命アラビア語で話しかけてきてくれるたくさんのイエメニ達とちゃんと話がしたいなと思ったことが発端なので、今ほんのほんのほんのちょびっとだけだけど、それができるということが素直に嬉しい。

また、とにかくトラブルやイレギュラーもいっぱいあったのに、こうやって勉強を続けることができているのも、予定通りの期間滞在して予定通り帰国できる(予定)のも、先に挙げた方々をはじめとするたくさんの人のお陰です。当初は勉強に関して友人の力を借りる予定ではなかったのですが、結果として1人では本当に何もできなかったし途方に暮れていただろうと思うと感謝でいっぱい。

そんなイエメン滞在も残り僅かになり、12日1日の便で出国します。
明日はアルジュマでイスラムの休日、毎週必ず友人か奥様の実家に行くので明日も奥様のご実家に一緒にお邪魔して、いつもならそのまま夜までいるのですが、もう帰国まで時間がないので、お昼だけ実家の皆さんとご一緒させて頂いた後、いつも通りオフィスに行って勉強させてもらうことになりました。

勉強だけじゃなく、この友人と友人奥様双方の実家の人たちもみんな素敵な方達で、貴重な経験や大切な思い出を山ほど得ることができました。また次回訪イエメンでお会いできることを心から願っています。

さあ、残り後少し、思い残すことのないように頑張って帰ります!

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ブログは終わらない予定。

# by neoyamatonadesiko | 2014-11-28 06:19 | イエメン

イエメニの結婚事情

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日本とイエメンは本当になにもかもが違います。
わかってはいても、その余りの違いの激しさにやはり戸惑うことや、はたまたその気はなくても現地の方々にご迷惑をお掛けしていることも多々あって、落ち込んでしまうこともしょっちゅう。特に私は女なので、タブーであったりイエメン女性から見ると「何この人」って眉をひそめられることもあると思います。私がアラビア語を教わっているのは男性ですが、これもイエメニ女性からしたら「百歩譲って外国人でムスリマではないから大目に見るけど本当は有り得ないぐらい非常識なこと」と思われているはず。

イエメンの魅力をお伝えしたいという趣旨のブログなのであまりネガティブなことは書きたくないのですが、正直女性の方はよほど昵懇な友人がいて滞在中の全てをある程度面倒見てくれるというので無い限り、長期での滞在はかなりの覚悟が入ると思います。覚悟というのは自分が郷に入っては郷に従うということだけでなく、現地の人たちに迷惑をかけたり世話になったり多大な負荷をかける覚悟ということも含めて。
それでなければ、滞在中の全てが完全にオーガナイズされているツアーで来るのが最も良い方法だと、自分の経験からつくづく感じます。

さて、そんな「全てにおいて日本とは違う」イエメン。実生活において特に違いの大きいことの1つはやはり婚姻に関すること。
イエメンはシャリーア(イスラム法)に則って統治されているため、婚姻についてもそれが適用されます。例えば、男性は複数(たぶん4人まで)妻帯することができます。
以前にちょこっと聞いた話では「複数奥さんを持てると言っても、今時はよっぽどお金と甲斐性がないと2人・3人奥さんを持ったりすることは田舎の村などは別としてそうそうない」っていうことだったんです。

でも、以外といなくもない。

実際、友人のオフィスでよく会う人の1人も奥さんが2人いる。また別の1人は兄弟が20人もいるとのことで「お父さんは奥さん1人だけ?」って聞いたら、やっぱり2人奥さんがいた。

「甲斐性がないと」っていうのは、そのイスラムの戒律で「奥さんみんなを平等に愛さないといけない」みたいな決まりがあるかららしいんですけど、実際その奥さん2人いる男性に聞いたところ、今晩はこっちの奥さんの部屋で一緒に寝て、翌日はもう1人の奥さんの部屋で一緒に寝て...という風に1日交代にしているそうで、本人曰く「何も問題ないよ」とのことです。

でも、問題ないわけないよね。。女性の立場で言わせて頂くと、どんなに奥さん2人が仲良かったとしても、心中穏やかなわけないですもん。言ってみればリトル大奥ですよ。。

ちなみに私が居候させてもらっている友人も男性で当然結婚していて奥さんも子供達も住んでいるお家に置いてもらっているわけです。これだって、いきなり旦那が「友達なんだけど、しばらく滞在させるから」って言って女連れて来たら、普通「はぁぁぁぁ???寝言は寝てから言えコノヤロウ宿題してとっとと寝やがれこのトンマ」って思うでしょ?しかもなまじっか複数奥さんが持てる国となると、奥さん(もちろんある程度の年齢の子供も)の複雑な心中はいかばかりか。。
(実際私は居候させてもらうことについて抵抗し続けていたんですけど、いろいろ抜き差しならない事情もあって現在に至ります。)
さすがに最初は奥さんとは結構微妙な空気で気疲れしましたが、おかげさまで友人とは完全に友人以上のなにものでもないのと、奥様も非常に気立ての良い方で、今は毎日楽しくやっております。

まあでもやっぱり女性からすると決して良い気はしないですね。
そもそも「複数人妻帯しても良い」というのは、寡婦の救済措置という意味があってのことなのですが、今時イエメンでも働いている女性は珍しくないわけで、結局男の勝手がまかり通る時代錯誤な法律...と思える。
でもその反面、例えば私が一人暮らしをしていて家賃や生活費は全部自分で出していると言うと、もの凄く驚かれるんですね。何で親に出してもらわないの?という具合に。また、男性と一緒に行動している時も、交通費や食事代など、自分の分を払おうとしても「イエメンでは女性は支払いしないもんだから払わなくていい」って言われることがよくあります。
とどのつまり、未だにイエメンでは「女性は自立して生活していく能力がない」という大前提があって、女性達自信もそういう認識なので(実際働いている人も多いとは言っても女性の社会的地位は男性とはきっと比べものにならない感じだと思う)、結果そのことが未だに「一夫多妻」制を時代錯誤とか現代に則していないと言い切れず、正当化する形になっているという側面も。

とは言え、イエメンで初めてノーベル平和賞を受賞したのは女性の活動家タワックル・カルマン女史。なんだかんだ言ってもイエメンは南北イエメンが統一して現在の国になってからまだまだ非常に歴史の浅い国なので、女性の地位向上や意識改革もこれからということなのでしょう。

さて引き続き婚姻事情について。
時々日本のニューストピックにも上がることがある、イエメンの「幼児婚」。幼児と言うか、7歳とか8歳でずうっと年上の男性と結婚させられた少女の話とか、ご覧になったことがある方がいらっしゃるかもしれません。
これについては友人曰く「何それ?イエメンの話?そんなの聞いたこともないよ」ということで、実際日本で出てたニュースもガセだったものもありましたし、よっぽど田舎の村の方はどうだかわかりませんが、普通は有り得ないようです。
とは言っても、15歳とか16歳ぐらいで結婚する子はサナアでも普通に結構多いです。私が知っている範囲でも何人かいて、もちろん恋愛結婚の子もいるけど、親が決めたかなり歳の離れた相手との婚姻の場合もありました。
あと、割と多いのが近親婚。近親と言っても3親等は離れていると思いますが、イエメン人はとにかく親類が多くて、いとこなんてみんな何人いるか把握できないぐらいたくさんいます。
で、肉親以外とは男女が相まみえることが極端に少ないイエメンなので、必然的にいとこ同士だったり、1組の兄弟と1組の姉妹で兄と姉、弟と妹が結婚した、というようなことが結構多いです。

上記のいずれも、サナアの街中に住んでる今時のイエメンっ子というよりは、若干田舎に住んでいて昔ながらの暮らしや考え方の人たちに多いようで、女性でも普通に大学まで出させてもらっているような人たちは、そういう昔ながらの婚姻事情を憂慮している人も多いです。まあ、そういう女性達は恵まれたお家に生まれたというアドバンテージがあるからね...と考えると何とも言えませんが。

さて、子供が多くてみんなガンガン結婚するイエメンなので、毎日のようにそこここで祝砲よろしく結婚を祝う花火があがるのを目にしたり、ウェディング用にデコレーションされた車を見かけたりします。実際に結婚式にお邪魔したことも、既に通算5回ほど。
私は10月11月がイエメンのウエディングシーズンだと思っていたのですが、先日その話を友人にしたら、友人曰く夏場の方が結婚式は多いそう。なぜかと言うと

「夏場の方がカートが安いから」

い...一体どこまでカート中心に回っとるんだ、イエメン。
ちなみに私、葬式にも連れて行ってもらったことありますが、そんな場ですらみんなカートくちゃくちゃやってます。不謹慎という概念はないのか。

そんな、女性は結婚してとにかくたくさん子供を産む、「産めや増やせや」イエメニライフなわけですが、実際のところそんだけみんな子沢山なイエメンて、人口どのぐらいだっけ?と思ってこの前ある知人に尋ねてみたところ「大体このぐらいだけど、正確にはわからない。人口を正確に把握するシステムが確立してないから」とのお答えでした。ああ、確かにそうでしょうね。サナアーニですらいちいちそんなのみんなが届け出たりなんかしないだろうに、小さな村々や各部族の人たちなんて言わずもがな。。
どこまでもイエメンはイエメンだと妙に納得。

そんなイエメンでアラビア語を勉強しているわたくしめですが、イエメニからちょくちょく「アラビア語はなせるようになりたいならイエメン人男性と結婚すれば手っ取り早いよ」というアドバイスを頂きます。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。

イエメン好きだし、イエメニのレイジーなところやのんびりで適当でいい加減なところも嫌いじゃないけど、すっっっごくいろんな意味で、無理だと思うの。。。

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ブログに関してはいかんせん私もイエメニのことを言えない程度にレイジー。
# by neoyamatonadesiko | 2014-11-23 07:46 | イエメン
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今日は金曜、アルジュマでイスラムの休日です。ということで、今週は友人奥様の方のご実家へ。お昼前に訪れたので、ちょうど表で女性たちがホブズを作っていました。
前々回ご紹介したホブズ焼き器とは違って、こちらは石の窯!(かまど?なんて言うのかわかりませんが...)

最初に小枝など薪をくべて火を起こし、充分中を熱して炎が落ち着いたら、ホブズ焼き器と同じ要領で作って参ります。
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「ホブズ広げ器」から石窯の壁にばこーんとな~。
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今回も「壁にばこーん」に挑戦しようとしたら、ホブズ広げ器を受け取った直後に周りにいた1人が「写真撮ってあげる」と私のカメラを構えたので、「え?ちょっとどっち向けばいいですか?」とか手元のホブズから気がそれてしまった時にその悲劇は起こった。。

ぼてッッッ。
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ばこーんとやる前に、手に持ったホブズ広げ器からホブズかハゲて、窯の底に落っこちてしましました。。ゴメンナサイ。こちらは飼ってる山羊さんたちのお食事用になりました。

さあ、他の方達がばこーんばこーんと手際良く作業を進め、美味しそうなホブズが出来上がってきました。
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子供も段ボールの中から固唾を飲んで経過を見守っています。
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途中、お散歩から戻ってきたじいちゃんばあちゃんの飼ってる山羊さんたちが帰ってきて、置いてあった出来立てホブズをカジってしまうハプニングなどもあり。。(写真はホブズを取り上げられたので、仕方なく段ボールをかじるの図)
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準備したホブズの生地を全て焼いてしまったら、その後はやっぱり今日もビンタサ!
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一旦段ボールなどを入れて火勢を強くし、中の薪などを燃やして炭にしてしまいます。
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そうして、中の炭を掻きだして石窯の穴と同じぐらいの大きさのアルミの器に炭を入れ、石窯の中にビンタサを入れて、その炭を入れた器で窯に蓋をします。
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途中で焼け具合を確認。う~ん、もうちょいですね。
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しばしご歓談...しているうちに、おおー、美味しそうに焼けました。
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子供達も待ちきれず、ビンタサを取り囲み今後の対応について会議中。
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そうこうしているうちに2つめも焼き上がり、これでこの窯での作業は終了。
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最後は上の灰入れの器に灰を全部移し、窯の上や周りのゴミや灰をきれいに掃除して終了。
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余談ですが、ホブズ作り中散歩から帰ってきた山羊さんたち。ここのおうちにも例によって小さい子や赤ちゃんがいっぱいいて、散歩から帰った山羊さんの1頭をつかまえると赤ちゃんを連れてきて、なんと山羊の乳を搾りながら赤ちゃんの口にダイレクト授乳。
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口に入る分もあるけど全部はちゃんと入らず、赤ちゃんもそんなにガンガン飲めないしで、口からは溢れるわ、口だけじゃなく鼻の辺りとか顔中に乳がかかるわで、赤ちゃんむせまくってめっちゃ苦しそう。。本当にイエメン人はざっとしてるなあ~。

ちなみにこちらのお宅、お家の中にホブズ焼き器もお持ちです。にも関わらず、だいぶ手間暇のかかるこの窯で焼いてるってことは、やはりこれで焼いた方が美味しくできるからなんでしょうねえ。
ホブズも美味しいし、ビンタサも、普通にホブズ焼き器で焼いても美味しいけど、この窯で焼いたビンタサはパリパリサクサクなのに端の耳の部分はフンワリですごく美味しい!
今日のご飯も美味しく頂きました。ごちそうさまでした。(順調に増量中。)

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帰国時にも日本のご飯が美味しくてきっと増量。


# by neoyamatonadesiko | 2014-11-22 17:30 | イエメン
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多少なりともイエメンに興味を持たれた方で、観光以外の最大の興味の対象と言うと、やはりカートではないかと思います。
以前にもカートについて書いたことがありますが、今回はやはりイエメニカルチャーの欠かせない要素であるカートについて、もう少し詳しくお話しようと思います。

まずは入門編として以前のカートに関する記事からどうぞ。
http://loveyemen.exblog.jp/21415042/

さあ、上のリンクをお読みいただいたという前提で進めますよー。
とにかくこのカート、イエメニ男性でカートを嗜まない人は未だかつてみたことがありません。(子供は除きます。さすがに微弱と言えども麻薬の一種なので、ある程度の歳になってから。)
かつては完全に男性だけのものだったそうですが、最近は女性でもカートを嗜む方がいらっしゃいます。と言っても、金銭的な問題でカートを買えないという人以外はほとんどの男性がカートを嗜むのに比べると、女性は全然少ないですが。。

一般家庭にもみんなで集まってカートを噛み噛みおしゃべりに興じる社交の場であるマフラージという部屋があることは前回にもご紹介しましたが、私が毎日連れてってもらっている友人のオフィスにも、同じフロアの仕事するのとは別部屋でマフラージがあります。
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大体昼過ぎからこちらのマフラージに会社の関係の方や友人知人が毎日入れ替わり立ち替わりやってきては、カート噛み噛みおしゃべりして、思い思いの時間に帰っていくわけです。
通常のマフラージはこんな椅子みたいに高くなってなくて下の写真のような感じなのですが、ここは社内にあるマフラージなので。。
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どんな話をしているかっていうと、単なる雑談の時もあれば、仕事に関する話や政治に関する話をしていることもあり、宗教的な話をしていることもかなり多いです。(アラビア語はほぼわからないので、雰囲気や断片的な単語などで判断しているだけですが。)
大抵毎日一定時間、決まった人がコーランを読み上げて、周りの人たちが静かに聞いている時間などもあります。

さてそのカートですが、実物はこちら。
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私は自分で買うことはあまりないですが、黙っていてもカートに関しては周りの人たちがいくらでも分けてくれます。
自分で買わない理由はいろいろですけど、カートってクオリティが本当にピンキリで、値段もそれによって全然変わってくるんです。私は全くその善し悪しの区別がつかず、カートを買う友人について行ったある時「カートの善し悪しって何で判断するの?私どれだけ見ても全然違いがわからないんだけど」と聞いてみました。
すると友人はちょっと困って「自分は長年見てるから善し悪しが分かるけど、どういうのが良くてどういうのが悪いかって具体的に説明するのは難しいよ。見た目や色味もあるし、においもあるし、時にはテイスティングする時もあるし...」とのお答えでした。

さて、カートを購入しましたらば、そのままではいろんな汚れがついたままなので、まずはきれいに水で洗います。水を張ったたらいなどに入れてジャバジャバゆすいで流す、を3回程度繰り返すときれいになります。その後、濡れたままではいけないので、よおーく乾かします。どうやって乾かすかというと、友人は自宅にいる時は洗った後、タオルに包んでそのまま洗濯機で乾燥しています。なるほど。。
ただしそれは自宅でしかできないので、オフィスに来る方々は来る途中で買ってオフィスで洗って乾燥もするワケで、その際は下の網状の袋を使用します。(別にいいけど、こんなの撮ってどうするの?って言いながら撮影にご協力頂いた友人の1人、ありがとう。)
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この袋にカートを入れて、袋に付いているヒモの部分を持ってしばらくブンブンブンブン振り回すんですね。するってぇと、あっという間に乾燥致します。ただ、それでもまだちょっと湿っぽいかな?っていう時は、オフィスにある扇風機の前に広げて乾かしたりもしています。
ちなみにイエメン男性の装束の一部である、肩に掛けたり頭に巻いたりしている布は、カートを乾かす時にあれを敷いて、その上にカートを広げるという使い方もされる実用的な側面もあるのでした。

さあ、これできれいに洗って乾燥までできれば準備OK。実際に口に入れるカートは茎から良い部分だけをちぎっていらない部分は床にぽいぽい捨てます。
最初のマフラージの画像でも床にカートの残骸が散らかってるのがお分かり頂けると思います。
ではどの部分を口に入れて、どこを捨てているのか?
それも私はどんなに見てもずっとわからなくて、ずっと他の人に良い部分だけちぎる作業をやってもらっていました。というのも、葉っぱだけちぎるのかというと茎もOKな部分もあるし、逆に葉っぱでも捨ててしまう部分もあるんです。
最近なんとな~~く、ほんのりとわかってきた選別の要素としては、茎でも葉でも硬い部分はダメで、柔らかい部分だけがGOOD。また、葉が黒ずんだりしている部分は良くない。とりあえずそれらのアドバイスを参考に、今では自分でなんとなくやっています。
カートは新鮮さが命なので、明日の分を買い置きするとか、余った分は明日に取っておくということができないのは元より、しばらく席をはずしたり他のことをしていてカートはちょっとお預け、という場合も、なるべく空気に触れさせないように、カートを入れているビニール袋の口を締めておくいた方が良い、というぐらい繊細。

そんなこんなでイエメンの最も特徴的とも言えるカートですが、本当に微弱な作用のものなので、アルコールを一切口にしないイエメン人にはその作用がわかっても、一般的な日本人と同じ程度にお酒など嗜むわたくしめには、3時間噛もうが5時間噛もうが、全くその作用はわかりません。ただただ苦くて青臭いだけの葉っぱ。しかもそれ自体は飲み込まずにどちらかのほっぺに溜めておいて、エキスだけを取り入れるわけですが、この一方のほっぺに溜めておくっていうのも最初は以外に難しく、溜めてるつもりでも全然ほっぺに溜まらずに結構飲み込んじゃってたりします。今はうまく溜められるようになりましたが、なんか本当にシマリスみたいにボコーっとほっぺがふくらんでるイエメニに比べて、私あんまりボコっとっとならないな、何でだろう?ってずっと不可思議に感じていたんです。最近気づいたんですけど、イエメニ男性のお顔立ちって、アラブ人の中でもシャープでエッジィな感じなので膨らみが目立つけど、私はそもそも丸顔だから膨らんでてもわかりにくいのかしらとかそんなこと余計なお世話です放っておいて下さい。

閑話休題。

今日もそんないつもの1日だったのですが、ちょっといつもと違ったのは、イエメン人がみんな大好きなサッカーの、イエメン対サウジ戦の日だったのです。何でもイエメンチームはこれまでずっと弱かったけど、今のチームはかなりデキるらしく、イエメニのサッカー熱も一層盛り上がっているそうで。

いつもなら夜の7時8時になるとボチボチみんな帰って行くところ、今日は8時頃のキックオフに合わせて続々と人が集まってきます。オフィスのマフラージには大きなテレビがあるので、そこに集まってパブリックビューイングよろしくみんなで熱く観戦するわけですね。最終的に20人以上になって、床で見てる人も。。
世界は信仰とカートで回ってる(ただしイエメンに限る)・リターンズ☆_c0324791_06470498.jpg

必然的に私もその場にいましたが、残念ながらイエメンは0ー1で惜敗。
(ちなみに前々回ぐらいに"プレステのゲームでゴール決めた時に実況の人が「ヤーアッラーーーーー」って言ってる"ということを書きましたが、現実の試合ではサウジの実況の人はサウジチームがゴール決めた時、普通に「ゴォォォーーーーーール!」って言ってました。ただしオフィスで観戦してる人たちはイエメンチームのキーパーがファインセーブしたりするとやっぱり「アッラーーー」って口をついて出てました。)

試合が終わると潮が引くように帰宅し始めるみなさん。床には足の踏み場もないほどのカートの残骸が散らばっています。これがイエメンでの日々の光景。
みなさん今日もお疲れさまでした。(ただし仕事して疲れてる人はごく一部というのがイエメン。)

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本当にあと10日なんだなあ。。
# by neoyamatonadesiko | 2014-11-20 06:51 | イエメン